意識して目を大きくしてみるが、普通のほうがいいな。
パレードの法則はそれ自体は労働生産性の向上の話であったり、時間配分の効率化などの話に集中しがちであるので、使用する場がビジネスだったり生産現場だったりと限定しがちである。しかしながらその背景にある精神を理解すると(武道ではない)、お宅の子供のテストの結果を見ただけであなたの子供を傷つけないアドバイスが可能となる。
現在はこういった感じではないか?
40点「もっと勉強しろ!」「ゲーム禁止」
50点「まだまだ。塾にでもいれるか」
60点「なぜこれしかとれない問題集が足りない」
70点「まあまあだな。もっと難しい問題集を」
80点「いい成績だな。もっとがんばれ」
90点 「勉強しろなんて言ったことはないですよーははは」(ドヤ顔)
巷の家庭での親と子供の会話は、だいたいこのパターン。
まず、無駄なアドバイスはやめよう。80点以上の子供に対してアドバイスなんていらない。問題は70点以下の子供に対してである。パレードの法則は残酷であるが合理的である。70点の点数は子供の労力の10のうち3を使うだけで取れるのだ。ということは成績不振の原因は、単なる勉強不足で、単に勉強に使う時間か要領が足りないだけである。当たり前だと怒られるかもしれないが、ここに真理が隠れている。
あなたの子供は今ある時間の3割を勉強に使うだけで復活できるということである。たった3割。すべての時間を勉強に使うのは次の段階である。
計算してみるといい。家に帰ってから寝るまで6時間とすると2時間である。2時間あればけっこうな事ができる。 これをふまえて以下を読んでくれ。
40点から60点
まだまだ救いがある。なぜならある程度勉強に時間を費やしているが、なかなか「成績に反映しない」子だからである。練習は得意でも本番に弱いだけかも。そういった子にアドバイスするとすれば、教科書に書かれている例題をやりこむことだけだ。基礎がおぼつかないのにランクが上の練習問題をさせられている子なのかもしれない。学校の勉強であればワークという基礎練習帳のやりこみでこの点は解決する。手を広げてもしかたがない。この時にもっと勉強をとはっぱをかけるとテキスト地獄に陥り、結果的には消化不良となって成績の上昇は望めない。
「教科書とワークを徹底的にやるといいよ」これだけである。
実際に難関高校受験のための進学塾の日々の指導の基本はこれである。実際の本番のテストの成績は皆あまり変わらないならば、上げるべきは内申点である。
70点
あなたの子供はたぶん勉強については一通り理解しているが、一歩上に行くことはできない。70点とは微妙な点数だ。評定では4か5の分かれ目の成績である。ここでやるべきことは、
「エラーのチェック」
である。自分の子のテストの問題と答えをみせてもらうといい。いい線で説いているのに字が間違っていたり、計算が途中で間違っていたり、大したことがないケアレスミスである。この点を子供に話すといい。テストで一番最後にある大問を解ける必要はない。80点を目指せればいいのだ。それには間違わないことである。
80点
あなたの子供は、勉強については不安がないが、さらに上の段階(学校で上位10番以内とか)に進みたいならば、今までの2倍から3倍の時間を使わなければならないことを伝えてほしい。
7の成績は3の仕事量でで可能である。残りの3の成績は7の仕事量で可能となる
この話をすると子供はどう思うだろうか。そんな簡単なことで上を目指せるとおもうのではないか?勉強時間をどう確保するか。何かをやめる必要はないか、勉強ができる適切な環境はなにかを自分で探し求めるだろう。それもできるだけ早く。それに気づけば親は応援してやるだけでいい。いらぬドヤ顔もいらない。今はたった2時間の勉強時間である。どれだけ時間をつかえばつかむ事が出来るかわかればあとは実行するだけである。
0点から40点
勉強への意欲ということもあるかもしれないが、大体は環境がそうさせている。子供が勉強している横で漫画は読まない方がいい。バラエティなんて見ている場合ではない。親も本を読むべきだ。親が何べん勉強しろなんて言ったところで親自身はお笑い番組をみているようでは成績上昇は望み薄だろう。あなたの子供の成績が悪いのは環境のせいである。環境を整えてこそ勉強をする時間と意欲がうまれるのだ。ゲーム機を取り上げている暇はない。親自身が何かをやるべきだ。何かを。まず子供たちに2時間の時間を作ってやってくれ。
どうであろうか。あなたの子供の成績が悪いのは勉強そのものではないということを理解するべきであろう。周りの環境であり、時間であり、ミスをつぶす方法を気づかせることである。
うちの子の場合
この方法は、実際にやってみて結果が出ている。上の娘の2年生の1学期までの成績は上位の高校を狙えるものではなかった。下の娘よりも成績は下だったのだ。内申点では間に合わないためにとにかく上記の方法を進めていった。テストの成績で子供の勉強の度合いがわかるのでアドバイスしやすい。まずやったことが、定期テストの見直しである。結果、成績の邪魔をしているのは単なるケアレスミスであり、暗記不足だという事を理解させた。それを理解させた後は、子供自身の進捗を自分で管理させた。80点までは簡単である。それからの上昇はどうするのかは80点になってからの話でいいのだ。
ちなみに、3年間の内申点は1年と2年の成績のおかげでとても進学校を狙えるものではなかったが、普通高校は内申点:本番の試験が4:6だが、進学校は3:7である。本番に強くなるということを目標にして本番の試験に臨んだ。
今では希望する進学校に通い、さらなる高みを狙っている。
うちの家で出来たことだから他でも可能だというつもりではない。子供の成績のアドバイスに勉強の文字は本当はいらない。そのことは子ども本人が一番分かっていることだ。