旅行会社に勤めていた頃の話。
ある県の郡部の高校の修学旅行の添乗をすることになった。ちなみに修学旅行には1シーズン5回も6回もいくから、どの高校の添乗をしたか忘れてしまったが、その高校は多分郡部の進学校であろう。生徒の中に一人のアメリカ人の女の子がいた事を覚えている。その頃は茶髪にする人はほんの一握りであり、さらにアメリカ人である。身近にいればとてもドキドキするような存在である。そのアメリカ人の日本側のホストファミリーの奥様がその頃その郡部でも珍しい茶髪にしていた。アメリカ人の影響パネエ、と思った。
そのアメリカ人の女の子は、当然ながら日本語があまりできず、さらには食べ物も口にあわなかったのであろう、5日間の奈良京都修学旅行中、全く料理が減っておらず、みるみる痩せて行った。当の本人に大丈夫かと聞いてみてもお菓子食べているから大丈夫だという。しかしその疲弊感といったら明らかだった。先生、ちゃんとケアしてくれよ。日本語もままならないため行きがかり上、全生徒の添乗員兼通訳みたいになってしまった。班のみんなも助けてやれよ。11月にもなると全国から高校生が集まる。紅葉を求めて一般の旅行客も集まる。もちろん世界各国からの旅行者もたくさんいた。しかしそれでもアメリカ人の女の子は髪が茶色なだけで十分目立つ存在だった。もう20年以上も前の話。
生まれたときから茶髪の女の子が学校から黒く染めるように強要される話を聞いたとき、ある有名な話を思い出した。そう、あの穂積隆信の「積み木くずし」に出てくる、穂積の娘がそれである。積み木くずしが流行ったのはもっと昔の話なので茶髪の子供なんて真性DQNぐらいで本当にめずらしく、さらには髪を茶色にするには髪をビールに浸すなど根性が必要だった時代だからパネエ。その中で穂積の子供は不良と呼ばれ、実際にグレた。髪を染めた訳でもないのにパネエぜ。
髪の色といえば、アニメキャラである。特に女の子キャラにとっては茶色なんて生易しい。キャラを見分けるためにはとても効果的な髪の多色化はアニメ世界には不可欠である。ハンコ絵の世界では、それがないと誰がだれだかわからなくなる。アニメやコスプレの世界では必須の存在である髪の多色化。実際の学校現場の基準で測れば、「響けユーフォニアム」のサファイアちゃんは極悪非道の不良びっち娘というところだろうか。
アニメの世界の学校の先生は許しても、現実の学校の先生には今も昔も不評のようだ。
この人はピンクに染めている。パンクな人だ。
この人の中古車情報好き