夫婦とふたごとネコ一匹

家族で起きた事件(?)を基に四コマ漫画を描いています。

ありがとうハイテクノロジー 「スターウオーズ 最後のジェダイ」に見られるローテク問題

 

 ネタバレなしで行く。「スターウオーズ 最後のジェダイ」を見に行った。それも3D版。月曜日の夕方の回だからか席はガラガラ。メンズデーで安く見れるにもかかわらず数えることができるほどの人数しかい無い。ほぼ貸切状態。メンズデー最高。

 

 まず感謝の辞を。ハイテクノロジーに感謝。音響、画像、VFX技術、3D技術、どれをかけてもこの映画は成功しなかったに違いない。あと、ディズニーの経営者に対して。あのシンデレラ城を出さずにいてくれた。前作でもそうだったな。次回からは20世紀フォックスのファンファーレが復活するかもしれない。あれはあれで最高。

 

 VFXでどんなシーンでも撮れるようになった。映像インフレが進んだ結果、VFX映像上でワクワクすることはなくなったが、おかげでストーリーや登場人物の心理的葛藤などを注視することができる。ありがたい。最高。

 

 映画は3Dで見るのが一番、それもメンズデーとか安い日に。1100円の映画チケット代+3Dメガネ400=1500円で見れる。座席は結構スクリーンから遠くの席を取ったにもかかわらず3Dのおかげでスクリーンから近くにいるような感覚で観れた。3Dだと席を選ばない。まあ、がら空きだったからどこでも座り放題だったわけだが。やはり映画は映画館で見るべきであろう。家庭で3D映画を見るわけにはいかないからな。あの映画体験のために400円は安い。iMax 追加料金は800円だったか。あれはあれでいい。iMaxシンゴジラが見たい。

 

ここから若干のネタバレ入ります

 

 

 それなのに、今回のスターウオーズ、勿体無いというか惜しい。映像でワクワクしなくなった分、脚本やキャラクタ設定、世界観に注視できるようになった。壮大な銀河の話だが、物語で出てくる世界が非常に狭い感じがする。あの狭い(宇宙だから広いけど)空間の中にあの世界の主要な登場人物が全て集まっている世界観ってどうよ(ルークは別)。それから人が死に過ぎ。多分レイア側の人数を最小限にしたい、そこから反乱軍が攻勢をかける姿を次の映画で見せようという趣向なのだろうが、それでもあんまりだ。反乱軍そのものが終わってしまうような死に方。どうよそれって。現実感がなさすぎ(フィクションですが)。あと、主人公が誰かわからない。ある人物の活躍の太い1本がないため、妙にガチャガチャした印象で終わってしまった。前6作はダースベーダーの物語でありそれ以上でもそれ以下でも無いため安心感があった。次回作(完結編)でその点は回収されるのであろうか。

 

 期待の新シリーズ、残念なことが。前6部作にあったジョージルーカスのにおいがない。遊びというか、こだわりというか、なんと表現したらいいのかはわからない。たぶん新作は「ジョージルーカスならこうするかなあ」なんて翻案を繰り返していくうちにあのジョージルーカス臭さが消えてしまっている。なんていうかきれいすぎる印象。バタ臭いほうがいいのに。それはテクノロジーの進化ゆえの悩みなのか、それとも作り手のせいなのか。それともハンソロを殺してしまったからか。

 

 あと、宇宙をまたにかけられるようなテクノロジーを持ちながら、何やらローテクのにおいが。ソ連の戦闘機ミグ25の部品には真空管が使われている。Xウイングにはなんと「抵抗」が使われていた。大写しになっていたが、あれはあれでいいのか?なんか漫画の方の「ナウシカ」に出てくるアスベルがエンジンを直すかの如しである。

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 また、本シリーズ全般にわたるポイントだが、大昔のとっても遠い場所で起きた話なのに、アラビア数字が全編に使われている。アルファベットもロボットの名前だけだが使われている。面白い点だ。 数字についてはエピソード4を作り直す時に直せたはずなのに直さなかった。やっぱりルーカスのこだわりなのだろう。

 

清濁併せ持つスターウオーズシリーズ、早く完結編が見たいぞ。レイア姫永遠なれ。