夫婦とふたごとネコ一匹

家族で起きた事件(?)を基に四コマ漫画を描いています。

友達の彼氏  

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 娘を持つ親として、娘の行動についてはいつも気になることだろう。たとえうざい、ストーカー、変態と言われようがどうしようもない。不良にならないだろうか、友達との仲はどうだろうかとか、勉強の進み具合はどうかろうかなど、心配したってどうしようもないことばかりだ。どうころんだとしても親はただじっと見守るしかない。悲しい。とても悲しい。特に男親としては、娘の彼氏については気をもまざるをえないだろう。高校生だよ、JK。どうやっても彼氏の一人や二人、浮いた話はあってもおかしくはない。そういったことには理解はあるが、やはり娘を持つ親としては、彼氏の存在なんて、敵だ!敵!どう転んでも敵にしかならない。

 

 安心してくれ。今回はうちの娘たちの恋話ではない。双子の姉の咲ちゃんと妹の藍ちゃんは、彼氏にも目をくれずに日々JK活動に勤しんでいる。咲ちゃんにも浮いた話がないわけではない。県内で一番の進学校に通う男子から告られたらしいが間髪を入れずに断ったと話していた。知らない男から告られるのは気持ちが悪いし、今は恋愛をしている心の余裕がないとのこと。いろんなことに興味があり、いわゆる活動家である藍ちゃんはモテる要素はあるにもかかわらずいろんなことに手を出しすぎる。曰く一般人には興味がないらしい。ハルヒか。お前はハルヒか。異世界人ならいいのかお前は。別な意味で私を憂鬱にさせる。

 

 脱線した。うちの娘の話ではない、咲ちゃんとは別の進学校に通う友達の話だ。身バレを防ぐために脚色する。咲ちゃんが言うには、友達の彼氏がとってもうざい。LINEにはすぐに既読をつけないと不機嫌になる。内容もキモいらしい(見せてもらたわけではないが)。自分以外の男と一緒にいるのにもイラつくらしい。そのくせ彼女にはぞっこんだそうだ。写真で一度だけ友達を見せてもらったがインスタ映えするべっぴんさんだ。彼氏の気持ちがよくわかる。先のクリスマスプレゼントにペアの時計を買ってくれたそうだ。一緒につけている写真も見せてもらった。高くはないが決して安くはない、高校生に贈るにはちょっと値の張った時計。形式的なプレゼント交換の域からは脱しており、友達を自分のものだけにしておきたい拘束しておきたいという願いがこもっているのは明らかだった。二人は高校の部活(弓と矢を使う日本古式の武芸とだけ言っておこう)で知り合った。具体的にどういう風に出会ったかは聞いていないが彼氏彼女の関係。友達は咲ちゃんにLINEで彼氏の言動が「重い」と伝えてきた。彼氏の妹は実は友達と同じ年で同じ競技をしていたので自分の兄のことを友達に話す機会があった。彼氏は友達と結婚することを望んでいる。「俺はあいつと結婚する!」と自分の妹に高らかに宣言した。友達はまだ高校2年である。親目線で見れば微笑ましい限りであると思えるが、結婚の話を咲ちゃんから聞いた時家族全員が凍りついた。これが高校生同士の話だったら別である。しかし、残念ながら彼氏は高校生ではなかった。ちょっと背伸びして大学生だとしてもあり得るはなしであるがそうでもない。彼氏は成人男性、それも警察官である。簡単に言うと、警察官が高校の部活の指導にやってきて友達に手をだした。それも結婚の望んでいる。背景になにかドロっとしたものを感じた。

 

 実際に話を聞いたわけでもなく、当事者とも面識があるわけでもない。漏れ聞こえてくる噂話だけで物事を判断するわけにはいかないだろうが、私も娘を持つ身だ。こういう事象が起きたら全力で娘を守る立場にある。相手が警察官だから安心だなんて楽観視は決してできない。直感めいたものが心の奥につっかえている。友達が何かしかの事件に巻き込まれなければいいがと不安になる。

 

 もしも何か事件になってだれも気づいていなかったということがあるといけないと思い切ってここに書き込んでおくことにした。この不安は娘を子に持つ親の不安感から来ているものなのか、それともある種の直感から来ているものかはわからない。その警察官の彼氏が敵であらねばよいが。取り越し苦労だったらいいのだが。実際にことが起こったとしたら私はどうしようもない後悔に苛まれてしまうかもしれない。いや私が後悔する分には構わない。届いたSOSをやり過ごしたと後悔した咲ちゃんのことを考えると何も起きて欲しくはない。どうか仲良く交際するか早めに友達を解放してはくれまいか。