夫婦とふたごとネコ一匹

家族で起きた事件(?)を基に四コマ漫画を描いています。

小説「1984年」に隠された(?)大どんでん返し


1984 Apple's Macintosh Commercial (HD)

行間を読め じっくり読まないと分からない

 基本読んだことがある本しか紹介なり批評はしないようにしているが、やはり30年前に一度だけ読んだことがあるうる覚えどころか最後主人公がどうなったかぐらいしかわからないでは正直失礼だと思い読んだ本がジョーオーウェルの「1984年」である。村上春樹の類似の題の作品ではない。この作品は訳者あとがきに書いてあるようにイギリスでも「読んだつもりになったNo.1の本」になったことがあるらしい(いまでもそ?)うなのかもしれない)。だからというわけではないが意地になって一字一句たどりながら読んだために1週間かかってしまった。

 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

www.habanerochan.com

 

 

  この本を読んだ気になりたい方はぜひwikipediaでも参照してくれ。本編は反吐がでるくらい暗く未来がない話だ。ちなみにこの小説、最後しか覚えていない小説に加えさせていただく。最後主人公がどうなったかしか覚えていなかった。完全に新作として読ませていただいた。が、やはり好きになれない。

 

1984年 (小説) - Wikipedia

 

 ちなみに、作中で出てくる概念「ダブルスピーク」は現代では一般的に使われている概念である。

ダブルスピーク - Wikipedia

主題は反社会主義、反共産主義ではない

 誤解があるといけない。この小説は別にロシア革命を揶揄しているわけでもなく、社会主義全般を非難しているわけではない。ジョージオーウエルその人そのものが社会主義者であり、この小説「1984年」は、社会主義があるべき姿と全くかけ離れたロシアやその他の政治体制(解説によると第2次世界大戦後のイギリスの労働党政権)を非難したものだ。しかしながら「ビッグブラザー」のモデルが誰とか「ゴールドシュタイン」が誰とか関係なく読むことを推奨する。そんなことを考えながら読んだりすると魅力が半減してしまう。まあ、読後感最悪だが。

 

オーウェルが仕掛けた壮大なる仕掛け

 実は、この小説には思いがけない大どんでん返しが隠されている。それは付録である「ニュースピークの諸原理」に隠されている。これがあるがために典型的なディストピア小説にも希望というか、完全なる解放の話なのだという期待が生じる。種明かしは、トマスピンチョンによる解説に載っている。是非とも本編と付録を読んだ後に解説を読んでほしい。衝撃度としては「魔法少女まどかマギカ」の10話目を見た後の、オープニング曲の主人公が真逆になる衝撃と同じである。ジョージオーウエルはこのことは明言してはいない。だが、付録がニュースピークにかかわる書であるというところがヒントになっている。ジョージオーウエルの壮大なるしかけだったのだ。こういうしかけがある作品は大好きである。内容は反吐がでるが。

 

 

 

1984

1984