夫婦とふたごとネコ一匹

家族で起きた事件(?)を基に四コマ漫画を描いています。

「こんな女の一匹や二匹」とそいつは言った

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 中学校時代のことは思い出したくはない黒歴史どころかブラックホールダークマター並みの漆黒の闇である。あの時代のあの中学校に生きた人間であれば消し去りたい記憶であるはずなのにある日突然フラッシュバックする。それも悪いことに鮮明なのだからタチが悪い。あの時確かにあのいじめの対象になっている女子生徒に対して「女の一匹や二匹」と言った。今では考えられないことだ。いや、その時でも考えられない。幼い中学生のささいな言葉のあやと言うには問題すぎる発言である。

 

 もう一つは、今では笑い話の種の一つであるが、その瞬間をちょうど聞いていた社会科教師がそいつにグーで殴った。今では体罰と問題になるだろうがその時は金八先生の時代、誰も気にしないどころか、そいつに苦渋を舐めさせられていた生徒たちにとっては賞賛に値した行為だった。それもいじめの対象の女子生徒に対して頭を下げさせたのだ。どれだけ溜飲を飲ませる結果となったことであろう、と今までは思っていた。

 

 私(達)は、思い違いをしていたのだ。あいつに謝らせたからと言って問題は全く解決しなかった、というか事態はより深刻となっただけであったのではないか。「三月のライオン」の中にいじめに立ち向かう下りがあったが、この時の学年主任の対応には感服した。これは被害者への配慮を考えれば作品の中で描かれた対応こそあの時必要であった。被害者(女子生徒)へ加害者(そいつ)による心がこもらない謝罪をなんどさせようとも逆恨みを産むだけだ。それはその女子生徒への当たりが苛烈となり、学年が上がるまで続くことになったことを考えると合点がいく。4コマ漫画にも描いたが、

 

  • 女性の人権への攻撃
  • 教師の体罰
  • 全員の前で謝らせたことによる女子生徒への配慮の無さ

そう、女子生徒への配慮が全くなかった。その頃の中学生は頭が沸いている奴らばかりだったからだれも(教師さえも)配慮する優しさをなくしていたのかもしれない。

 

 

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 女子生徒は苦笑いをしていた。かつて自殺報道された男子中学生はいじめられていた時に笑っていたそうだ。それは自分の自尊心の最後の発露だったのだろう。女子生徒は自殺はしなかった。しかし置かれた状況は死と同じだったのではないか。