日頃は子供や職場の同僚たちに対しては「大丈夫!」とか「できるから」なんて不確定な根拠のないことばかり言っている自分であるが、こと自分のこととなると、とても怖がり。「大丈夫かなあ」とか「できるかなあ」とか。本当は石橋を渡るがごとく少しづつクリアしていくような性分だ。だから人生にとって勇気を振り絞らなければならない時には本当に腰が引けてしまう。大学受験の時、最初の就職試験の時、妻へのプロポーズの時、子供が生まれた時、あとは書ききれない。どうしようもないビビり野郎。
こんな私でもあるが最近勇気を絞らなければならない事案に直面してしまった。藍ちゃんの3者面談に行かなければならなくなった。本当ならばパスしたいところだが、妻が咲ちゃんの面談について行ったために藍ちゃんの方に私が行くこととなった。怖い。怖すぎる。怖い顔をした先生に会いに行くことが怖いことでは無い。大人だから幽霊とかおばけとか怖い顔の人なんてのは大して怖いと感じることもなくなった。しかし精神的な怖さは克服できていない。今回は藍ちゃんの将来に関わる重要な面談となる。藍ちゃんの違う一面が見えるかもしれないというわくわく感はあるが、それよりも現在の藍ちゃんの学校での評判や成績、将来のことに大して真正面から直視しなければならない。これは顔を背けるわけにはいかない。どうしようもないビビり野郎。
実際には藍ちゃんはいつも私たちがいつも感じていたいつもの藍ちゃんだったし、3者面談の内容は大学への推薦入試についての説明だった。勇気をもって現実と対峙してみればあっけないものだ。「そんなもんだよなあ」とホッとしてみたりする。が、藍ちゃんには勇気を持って現実に立ち向かった私がどう映っていたことだろう。いかん、ホッとしている場合では無い。これからの人生、まだまだ勇気を振り絞らなければならない場面はメジロ押しだ。藍ちゃんが結婚相手を連れてきたら私はどんな顔をして藍ちゃんと対峙したらいいのだろうか。怖い。怖すぎる。これは咲ちゃんの時にも当てはまる。怖い。どうしようもないビビり野郎。わかってくれよみんな。