漫画を読んでいるとよくある設定でヤクザが資金源として会社を経営しているというのがある。「ヒナまつり」でも新田がやっているコンサルティング会社(不動産会社もか)は実質的支配者は反社会勢力である。また、銀座のホステスの漫画とか見ているとバックにヤクザがいて実はママは組長の女だったなんてのも。さらには学校の先生は実はヤクザの組長の娘だったりというのはあまりない設定であるが、反社会的勢力がバックにいると色々と問題が起きるので設定としては作りやすいが、現実ではそうあるものでは無いのかもしれない。ヤクザにとっては生きにくい時代になった。しかし存在が社会的に否定されていても存在はしている。一定の需要があるのか無いのかわからない。私は警察24時などの番組は好きだが警察関係者が親族にいるという記憶はないしヤクザがいるというのも聞いたことがない。いや、私が知らないだけかもしれないし私こそヤクザな人生を送っている。この社会に住んでいてヤクザの線引きは難しい。
銀行さんが持ってきた書類に「実質的支配者に関する調書」というものがあった。諸々の手続きの最後に出してきた書類なだけにとても事務的であるし、銀行としてもとりあえず聞いておく感がプンプンしていた。「実質的支配者」がだれかは融資や通帳作成の時に確認済みであり当法人が反社会的な勢力と繋がっているわけがない、ていうか反社会的な勢力と繋がっているならば事務的な書類で確認せずとも融資や通帳作成はどだい無理なわけで。長年の付き合いの中で支配者が変わることもあるから定期的な確認が必要なのかもしれない。今回の手続きは「実質的支配者」を確認するのにちょうど良いタイミングだったということだろう。
この「実質的支配者」なる名前、改めて聞くとクスリと笑いたくなった。銀行さんが持ってきた書類をつぶさに見ていたらゲシュタルト崩壊をおこしてしまったらしい。崩壊後の語感が何かRPGのラスボスか影の生徒会会長のような響きをもっていた。ヤクザなどの反社会的な勢力であることは理解しているはずであるが何か違うもののように思えてくる。笑える。銀行さんには私が笑った意味がわかるはずも無いだろうが。